中国の生産削減で鉄鋼価格が急騰、鉄鉱石価格が急落 – Quartz

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鉄鋼価格は年間を通じて上昇し、ある指数によれば、熱延コイルの先物価格は1トンあたり1,923ドルと、昨年9月の615ドルから上昇した。一方、鉄鋼事業で最も重要な鉄鉱石の価格は、7月中旬以来40%以上下落している。鉄鋼需要は急増しているが、鉄鉱石需要は減少している。
鉄鋼先物価格の高騰には、トランプ政権による輸入鉄鋼への関税や、パンデミック後の製造業における潜在需要など、さまざまな要因が影響している。しかし、世界の鉄鋼の57%を生産する中国も今年は生産量を縮小する計画で、鉄鋼市場と鉄鉱石市場の両方に影響が出るだろう。
中国は汚染抑制のため、国内の炭素排出量の10~20%を占める鉄鋼産業の規模縮小を進めている(同国のアルミニウム製錬所も同様の規制に直面している)。中国は鉄鋼関連の輸出関税も引き上げており、例えば8月1日からはステンレス鋼の材料であるフェロクロムへの関税が20%から40%に倍増した。
「中国では長期的に粗鋼生産が減少すると予想している」と調査会社ウッド・マッケンジーのシニアアドバイザー、スティーブ・シー氏は述べた。「鉄鋼業界は汚染の深刻な産業であるため、今後数年間は中国の環境保護活動の焦点であり続けるだろう」
習主席は、生産削減が鉄鉱石の消費量の減少につながっていると指摘した。一部の製鉄所が在庫の鉄鉱石の一部を処分し、市場に不安をもたらしたと習主席は述べた。「パニックがトレーダーに広がり、これが今回の不況につながった」
鉱山会社も中国の新たな生産目標に合わせて調整を進めている。「中国の業界団体が8月初旬に確認したように、中国が今年上半期に鉄鋼生産を大幅に削減する可能性が高まっており、先物市場の強気な姿勢が試されている」と、鉱山大手BHPビリトンの副社長は述べた。同社は2021年の見通しに関する8月下旬のレポートでそう記している。
中国が世界の鉄鋼供給を圧迫していることは、パンデミック後の需給が安定するまで、多くの製品の不足が続くことを示唆している。例えば、自動車会社はすでに半導体チップの供給不足に悩まされているが、フォード幹部はCNBCに対し、鉄鋼も今や原材料の「新たな危機」の一部になっていると語った。
世界鉄鋼協会によると、2019年の米国の鉄鋼生産量は8,780万トンで、中国の9億9,540万トンの10分の1にも満たない。そのため、米国の鉄鋼メーカーは2008年の金融危機以降で最も多くの鉄鋼を生産しているものの、中国の生産削減によって生じたギャップを埋めるまでにはしばらく時間がかかるだろう。


投稿日時: 2022年6月9日